マウンテンバイク。

sakaeyusuke2006-01-31

先日28日、最後の藤原会議#008が無事終了。

約1年間やってきて、色々勉強になった楽しいライブでした。

3月からはルミネでLISENCE vol.ENJOY!が始まります。

乞うご期待。



っていうか、もう1月終わりかい!早ぇっ!!ついこないだ正月やったのになぁ。

今年はライセンス、トータルテンボスサカイストとライブ尽くしの1年になりそうだ。

個人の仕事も増えるように頑張らなきゃやで、ほんま。バイトもそのうちやめなきゃやで、

ほんま。



ところでほんま、ふと思い出した高校時代のお話を1つ。

私が生まれた淡路島、都会の人には「野球してホームラン打ったら海に落ちるんだろ?」

なんて言われますが、そんなに小さくはない。

島自体の大きさは沖縄本島と変わらないんだから。

私はそんな淡路島にある6つの高校の、津名高校ってとこに通っておりました。

まぁ、そこそこの普通高。ここに入っとけば大学は行けんちゃう?ってレベルの。

でも自宅からの立地条件がうんこ。何と毎日片道50分もバスに揺られて

通っておりました。

自転車なんかで行ったら2時間半ぐらいかかるから、着いた頃には昼休みなんてことも

あったなぁ。



そんな高校2年の春、全校集会で新しく赴任してくる先生の紹介がありました。

英語担当の、男性の外人先生。名前はうる覚えだけど、確かリチャード。

リチャード「アメリカカラキマシタ〜。以後ヨロシュウ。」



ヨロシュウ!!!それがリチャードとの出会いでした。

リチャードはアメフトをやってたらしく、ごっつい体のディカプリオみたいな感じ。

でも常に眉が八の字のような、ニコニコした気さくな優しい先生でした。

授業でも坂恵が上手く言えないらしく、「ミスター・シャカイェ!!」

と、まるでラッパーのあおりの様に指名されていました。

でもそんなリチャードの人柄の良さか、生徒からはとても人気がありました。



坂恵「リチャード日本で彼女作らないの!?」
リチャード「おまえもな!」




そんなある日、陸上部に所属していた私は練習の後部室で友達と無駄話をしており、

ふと気づけば夏といえどもう辺りは真っ暗。時間も8時半を回っていました。

坂恵「やべぇ!!終バスがなくなる!」

東京では考えられないけど、淡路島の終バスは8時40分にはなくなってしまいます。

私は大急ぎでバス停に向かうも、ちょうどバスは出発した後。はるか向こうにバスの

背中が。確かまだ、携帯も持ってなかった時代。近くに公衆電話も見つかりません。

どうしよう・・・と途方に暮れて再び学校に戻ろうとした道中、電信柱に立てかけられた

1台のマウンテンバイクが。

・・・周りには誰もいない。マウンテンバイクに鍵もかかっていない。よし、これだ!!

私はそのマウンテンバイクにまたがり、帰路を突っ走ったのでした。

途中、公衆電話を見つけたので家に電話。親に車で迎えに来てもらい、もちろん

マウンテンバイクを盗んだなんて親に言えるはずもないので、そこらの田んぼに

乗り捨てたのでした。



翌日の朝。登校するやいなや、なぜか緊急の全校集会が開かれました。

壇上に上った生活指導の先生が、衝撃のお話を始めました。



生活指導の先生「え〜昨晩何者かによリチャードのマウンテンバイクが盗まれました。
         もちろん、君たちの中に犯人がいると疑っているわけではありません。
         だけど何か情報を知っている人がいたら、早急に申し出て欲しい」



続いて、リチャードが壇上に上がりました。リチャードは涙目でした。



リチャード「えっと、ボクノバイスクー、誰か、知りませんか。誰か、返して
      下さい・・・」




背中に冷たい汗が流れました。や、やべぇ!生活指導の先生が話すマウンテンバイクの 

色・特徴、絶対昨夜俺が盗んだやつだ!!やべぇ!!

私はこの事情を仲の良かった友達1人だけに相談すると、友達は腹を引きつるぐらい

大笑いした後、「おまえが見つけたことにすればいいじゃん」とのアドバイス

なるほど・・・

放課後、昨日乗り捨てた田んぼまでひとっ走りして、泥だらけのマウンテンバイクを発見。

それを再び学校に乗っていき、リチャードの元へ。




坂恵「リチャード先生、見つけたでぇ〜!!」

リチャード「オ〜マイゴッド!サンキューミスターシャカイェ〜!!
      サンキュー、ベリーマッチ!!ユーアーナイスガイ!!」







あれからもう7年ぐらい経つのか・・・。リチャード先生は元気だろうか。

あの時は自作自演で手柄を自分のものにしてごめんよ。

あの一件で、日本不信になってたらごめんよ。

リチャードが、まだあのマウンテンバイクに乗って、どこかの国の野山を

あのニコニコした笑顔で駆け回ってることを願う。

                          by ミスター・シャカイェ