タバコ。

sakaeyusuke2006-11-19

GO−BU−SA−TA。


さて18日、今年最後のライセンスのエンジョイがルミネでありました。

今年最後っつうことでお客もパンパン。

ライセンス以外のメンバーも漫才を披露し、そしてコーナーでは井本おかんが登場、

何と藤原おかんと電話共演を果たすという盛りだくさんの内容でした。

いやぁ〜おもろかったなぁ〜。次回のエンジョイは来年1月の20日。


そして両方親父になったトータルテンボスの全国ツアー「47」も、12月2日(土)に

ルミネで東京公演があります。


さらに今週23日〜26日新宿下落合のアイピット目白ってところで、

劇団THEフォービーズの第8回公演「パパは極道」があります。

先日B面さんと話したら、「今回もエンドロールに坂恵の名前、バッチリ載せておいたから!」

と言っていたので期待。もし万が一名前の字を間違えていたら、極道ばりに

暴れようと思っています。



告知ごとは以上な感じで、さてさて、最近めっきり寒くなって参りました。

新宿の高島屋の通りなんかを夜に歩くと電飾がライトアップされて、早くも

クリスマスムード。もうそんな時期か〜冬だな〜今年も終わっちゃうなぁ〜・・・。

でも僕はそんな冬が好きだ。気温が寒い分、何故か人の温かみを余計に

感じる季節だからだ。タバコなんかを吸っていると、冬の白い息と混じって

いつまでも吐く煙が終わらない。そんな様子を見ていると、思い出すエピソードを1つ。



僕がタバコを覚えたのは、高校3年のちょうど今頃の季節だった。

当時陸上部に所属していた僕は、それこそ毎日毎日グルグルグルグル、グランドを

走り回っていた。別に走るのが早くもなく、特に好きでもない僕が何で

陸上部に入ったのか・・・それは今でも分からない。たぶん、運動部に入るということを

前提に置いて、走るという作業が一番単純に思えたからだろう。

しかし、とにかく高校で女子にモテるという部活はサッカー部。

クラスで中心メンバーにいるようなちょっと不良っぽい男子はみんな、

サッカー部だった。マネージャーとは関係のない女子がサッカー部の練習を

見学しているのを横目に、時には羨ましげに、時には反抗的にケツを出して女子に悲鳴を

浴びながら走っていたのを今でも覚えている。


そんなサッカー部の連中は、やっぱり不良の必須アイテム、タバコを覚えるのが

異常に早い。運動部の部室は、どのクラブもまとめて運動場近くに平屋のように

連なっていたが、職員会議があって先生が来ない時なんかは、一室だけ汽車のように

モクモクと煙をあげていた。

そんなサッカー部の何人かと仲が良かった僕は、ヒマがあっては部室に遊びに行っては、

「今日の全校集会で体育座りした時に見えた女子のパンツの色について」なんかの話で

盛り上がっていた。

ある日も、そんなしょうもない話でサッカー部の部室でバカ騒ぎをしていた。

もちろんサッカー部の連中は、モクモクと煙を吐くのを絶やさない。

その時友達の1人が、ふいに次のような一言をはなった。


友達「ところで坂恵は、タバコ吸わへんの?」

坂恵「えっ!?いやぁ〜・・・俺はまだ」

友達「吸うてみぃや、うまいで」

坂恵「でもな、今でも走るの遅いのに、もっと遅くなるっていうやん?」

友達「そんなもん、変わらへんて。俺かてタバコ吸ってても、サッカーの試合で

   コート走り回ってるんやから」

坂恵「う〜ん・・・・」


差し出された箱から、一本だけ飛び出たマルボロライト。

今思えばあの一本が、僕のタバコ人生の始まりだったんだなぁ〜。

恐る恐る口にくわえ、キャバクラのように友達に火を点けてもらう。


友達「いいか?一気に吸って、もう一回肺の中に入れるために吸い込むんや」


よう分からんけど、できるだけ言われたようにやってみる。

一気に吸って・・・・・・ゲホッゲホッ!!!

何たるまずさ!!

何たる不快感!!!

何だコレ!!


友達はその様子を見てキャッキャ言いながら笑っている。

二度と吸うまい!と心に誓うが、その帰り道で1人、もう一回吸ってみようと

自販機ですぐにマルボロライトを購入した。


それから何度となく自分の部屋で家族に隠れてこっそり、

人気のない場所でこっそり吸っていると、ありゃりゃ、いつの間にか

くせになってくる。飯のあとなんかは、美味いと思うようにさえ

なっていた。これで立派なスモーカーの誕生である。

学校に行っても、既にスモーカーの友達と何人か連れ立っては、学ランで

近くの駄菓子屋の裏のドブのところでうんこ座りして、煙を吐き出していた。

気分はもう、ろくでなしブルース状態。


案の定陸上のタイムだけは、目に見えるように激落ちしていた。


そんなスモーカーデイを送っていたある日、例のタバコスポット「駄菓子屋の裏のドブ」に

行くのもめんどうな冬の雨の日だった。

タバコは吸いたい、でも外は雨。そこで誰かが提案した、屋上の階段の踊り場。

あそこなら先生にも見つかることはないだろうと、友人幾人かで

タバコをふかしていた。その時、誰かの叫び声が廊下に響いた。


「先生が走って来よるぞ!!」


全員慌てて空き缶にタバコを捨て、蜘蛛の子を散らすように走り去る。

やばい、現行犯で見つかっていなくても、バレれば停学必至!!

顔は知られているのか!?匂いは大丈夫か!?学ランの袖をくんくん・・・

やばい、匂いでバレていまう!!

その時、2年の教室の方から、陸上部のある後輩が叫んだ。


後輩「坂恵さん、こっちこっち!これ体にふりかけて!!」


香水か!?なるほど、これでタバコの匂いもカモフラージュ!

しかし実際にふりかけられたのは・・・コショウだった。


・・・くしゃみが、止まらなかった。


坂恵「何でコショウやねん!!」

後輩「おかんの弁当の味付けがうすいんです!」


知らん!!

その後、先生に捕まった。


先生(僕の学生服の匂いを嗅ぎ・・・)「おまえ、昼飯何食った?」

坂恵「・・・弁当の、豚の炒め物です・・・ハクション!!

先生「風邪か?」

坂恵「いえ・・・」



その時は何故だか、停学は免れてセーフだった。

そして僕は、今でもタバコを吸っている。そろそろやめなくちゃなぁ・・・と

思いつつ、まだ煙を吐き続けている。

でも僕があの日初めてタバコを吸った学校の校舎・部室は、今はもうない。

最近、新しく建て替えられたのだ。

冬の白い息が混じったタバコの煙を見ていると、あの日の学ランで走り回った

毎日がそっと蘇るのだった。