ゴーマニズム宣言。

sakaeyusuke2006-07-29

ご無沙汰。

蒸し暑い日が続きますね。気象庁の発表によれば、関東地方は来週にも

梅雨明けだとか。早くカラッとしたこれぞ夏!が来て、海にでも行きたいものです。

さて、月イチのライセンスのENJOYは8月の26日。そしてトータルテンボス

サカイストの単独も秋の本番に向けて着々と準備中。

あと劇団THEフォービーズの第7回公演「Lovely☆佐渡衛門」

8月の4〜6日で中野ザ・ポケットってとこでやるそうです。

四駆郎さんの台本を盗み見したり、稽古場から漏れてくれる声を聞いていたら

今回も面白そう!とりあえず皆、行くべし。上記のライブ全て。



さて、得意の話題大回転。

皆さん小林よしのりって漫画家さんはご存知ですか?

1975年に「東大一直線」という漫画で週刊少年ジャンプでデビュー。その後数々の

話題作を描き、1986年にコロコロコミックで発表した「おぼっちゃまくん」が大ヒット。

「友だちんこ」とか「おはヨーグルト」なんかの茶魔語が流行ったんだけど、

みんな覚えてるかなぁ?

そして1992年に扶桑社の雑誌SPA!で社会風刺をテーマにした

ゴーマニズム宣言」を発表。

この作品が社会現象になり、現在も小学館のSAPIOで連載中である。



この「ゴーマニズム宣言」という漫画、読んだことはあるだろうか?

まぁ普通の漫画ではない。現実世界の歴史・事件等を筆者独自の視点で切り裂き、

その度に言論界で多大なる議論を巻き起こしてきた。

この漫画で取り上げたテーマをざっと列挙すると、まず「坂本弁護士一家失踪事件」を

基点とした一連のオウム真理教事件

まだオウムが世間で危険な宗教団体と認知される前から、この漫画では坂本弁護士一家の

犯人をオウム真理教と匂わせる言葉を記述。そのせいで小林よしのりがオウムに訴えられたり、

地下鉄サリン事件以降捕まったオウム実行犯の供述で、作者の暗殺計画が明るみに出たりで

まぁ大変。これだけでも、ハチクロやNANAなんかに心酔してる女の子なんかには

あんま興味が湧かない内容なんだろうなって容易に想像できる。


その後もHIV感染者に焦点を絞った薬害エイズ問題、中台の国のあり方に

一石を投じた台湾問題、そして本土と現地の温度差を指摘した沖縄問題

さらに9月に行われる自民党の総裁選でまた話題になるであろう靖国問題などなど、

新作が発表される度に各地で議論が巻き起こること間違いなしの問題作ばかりである。


そして極めつけは現在3巻まで刊行されており、60年前の大東和戦争の日本の正義を

主張して現代の皆が当たり前に思っているアメリカ(正義)、日本(悪)の

思考を逆転させた戦争論。いやぁ〜これ読んだ時は目からウロコが落ちたなぁ。


何かテンション上がって一気に書いちゃたけど、この漫画、好きな人は好きだけど

興味ない人はとことん興味ないだろう。大学時代は勝手に学生のバイブルって思ってたけど、

実際周りで読んでる人も少なかったし。

今の周りにはほとんど読んでる人はいないのではないだろうか?

先に戦争の下りで記したように、この漫画の内容は一般的に右翼的な思想が

強いように思われている。

だけど、全部が全部作者の考えを真っ向否定できる人はこの国にいない。

だって読んでるあなたは日本人だから。

この漫画の全体を通して一貫しているテーマは

「日本人たることに誇りを持ち、この国を作った者たちに敬意を払え」ってこと。

でもそれを主張すると、今の学生たちが使っている歴史の教科書に書かれていることとは

全部正反対の内容になっちゃうのだ。そのせいでウチの親父は学校の先生だし、

この漫画の主張には同調できないようだ。


でもまぁ何よりのこの「ゴーマニズム宣言」(※略してゴー宣という)の魅力は、

普段の生活では触れることのできない、深い知的な欲求を刺激してくれるということ

だろうか。たぶん読書の大半はそれだろう。読んでたら知的、みたいな。

それが漫画という点で敷居も低いし、何十万部も売れる一番の要因であろう。

内容が賛否両論なのは確実。でもおもろいよ。


寝苦しい熱帯夜に一度読んでみてはいかがでしょう?

以上、ビルのオススメコーナーでした。