お祓い③

sakaeyusuke2005-05-19

続き。

神主に呼ばれた私は待合室を出て、説明を受ける。

神主「本日は当神社に厄払い御祈願にお出で頂き、真にありがとうございま    す。それではまずお清めの衣といたしまして、こちらの白い布を肩からお   かけ下さい。」

神主から手渡された一枚の白い布を肩からかけ、いよいよ祭壇まで移動する。

階段を一歩上がれば両足を揃え、また一歩上がれば両足を揃える独特の牛歩戦術

その牛歩戦術で、神社の外の正面、賽銭箱の後ろの縁側をぎこちなく歩く。

そんな私を見て、参拝客がニヤニヤしたりポカ〜ンとしている。

そして祭壇の部屋に入り、私が映画監督が現場で座っているようなイスについて、

お祓いが始まった。例のように、紙切れがジャラジャラついた棒を頭の上で振られる。


神主「んにゃあ〜な〜ねぇ〜も〜ろ〜」

何を言っているのか全く分からない。

きっと神様に「こいつ何とかしてやってくれ」とか言ってくれてんのかなぁ。
神主「んにゃあ〜な〜ねぇ〜も〜ろ〜」

まだ何を言っているのか全く分からない。

きっと神様に「こんな奴でも生きてんだよ」とか言ってくれてんのかなぁ。
神主「んにゃあ〜な〜ねぇ〜も〜ろ〜」

まだまだ何を言っているのか全く分からない。

きっと神様に「こいつ風呂入ってねぇから臭くねぇ?」とか言ってくれてんのかなぁ。
神主「んにゃあ〜な〜ねぇ〜も〜さかえ〜も〜ろ〜」

坂恵って言った!!やっと理解できた日本語だった。

その時、私は神様の偶像物であろう鏡が祀ってる下に、

神社にあってはならない物を見つけてしまった。
・・・MDデッキ!

ダメじゃん!絶対代役のお経、もしくは木魚のリズムパーカッション用じゃん!

なけなしの金5000円を払ったのに、参拝者のテンション下げまくりじゃん!

今さらながら、この神社をチョイスしたことを不安に思ってくる。

続いて神主がドンドコ和太鼓を叩き始めた。何だか神主ノリノリだ。

「久しぶりに仕事してまっせ!」感が出てる。私がうつむきながら、

「そろそろ終わらないかなぁ…」とボンヤリとしていた、その時だった!

・・・グラグラ〜っと地震だ!!

何でこんな時に!?神様の「こいつの厄は祓えねぇ!」っていう

拒否サインなのか!?もうワケ分かんねぇ。

そんなこんなで私の満で24歳、厄払い祈願は終わった。

帰りに部屋に貼る用のお札と、何故か半合ほどの米をお土産にもらう。

そして「絵馬も書いていかれますか?」と聞かれたので、

「じゃあ」と怨念に似た願い事を書いて、神社の木に括り付けてきた。

(※写真参照)

自宅に帰り、本棚の上にお札を貼る。とりあえずはお祓いもしたし、

これからはきっと不運続きだった日々から免れて良い事ばっかり、

いや、せめて平穏無事なライフが待っているはずだ。やったぁー!


・・・その二日後、原付に乗った私はタクシーにぶつかって事故ってしまった。

ただ今警察と保険会社をはさみ、調停中です。・・・5000円返せっ!!