何とも言えないこの気持ち。

sakaeyusuke2007-11-24

今回はちょこっと恥ずかしい話でもしてみよう。


20代の半ばを過ぎれば誰にでも、忘れられない異性の1人や2人は

いるのではないだろうか。

元彼や元カノ、初恋の人、想いを告げられなかった人、

傷つけちゃった人、傷つけられた人・・・


ビルにも夜中1人パソコンを打ちながら、何故だかふと顔を思い出して、

胸がキュンとなる人がいる。それは大学時代の元カノだ。

今はどこにいるのかさえ分からない。連絡もとっていない。


その元カノのM子とは、僕が19歳の秋に、僕の1人暮らしの家で催された

飲み会で出会った。小柄な、子猫のような目をした彼女。

一目惚れした。同じ大学の同じ学科だった。


仲良くなって何回目かに会った時に、勇気を出して「付き合ってください」って

告白した。彼女は三つ指ついて、「よろしくお願いします」って言ってくれた。


それから彼女とは、学校をサボってず〜っと一緒にいた。

家でゴロゴロしたり、古本屋をふらついたり、ご飯を食べに行ったりした。

映画を見たあとに、コーヒー1杯で感想をキャッキャ言いながらおしゃべりした。


いっぱいケンカもした。いっぱい泣かした。

バイトで約束してた花火大会を忘れてた時なんかは、浴衣姿の彼女を駅で

待ちぼうけにさせてしまった。

クリスマスにデート先の神戸でささいな事でケンカして、口もきかずに街を

歩いたりもした。


お笑い関係の仕事に就くのが夢だった僕が、運良く放送作家の先生と知り合って

ネタを書いて毎週送っていた頃、彼女は一緒に住んでいたのにも関わらず、

僕がネタを考える日は、気をつかって家を空けてくれたりした。


大学卒業の頃。僕が東京に行く事が決まり、深夜バスで上京する時、

梅田のターミナルまで見送りに来てくれた。

出発の時、かすれた声で「がんばって」とだけ言って、下手くそな

作り笑いをしてくれた。来る前に泣いてきたのか、目はパンパンに腫れていた。


それから、しばらく。

連絡も途絶えがちになり、当然のように訪れた別れ。

仕事に追われるようになり、いくつもの季節が通り過ぎた。

いつしかあんなに一緒にいた彼女の表情も、しゃべり方も、肌の温もりも、

風化するように消えていった。


つい最近、そんな彼女からメールが入ってきた。

何年ぶりだろうか。


結婚するらしい。


まだ返事は返せていない。幸せになってくれ、とは思う。

この、何とも言えない気持ちが大人になるってことなのだろうか。

じゃあやっぱり結構しんどいもんなんだな。

まぁしゃあない。ありがとう。